[Y]映画「ゴーン・ガール」を観てきました〜ゆずまろん映画論

gone_girl
大好きな監督デビッド・フィンチャーの新作「ゴーン・ガール」を鑑賞しました。

いや〜恐ろしや恐ろしや・・・

最近何かとメディアで出てくる「サイコパス」まさにそのものです。

ここからは思い切りネタバレを描くつもりなので、
これから見たい人は見てからまたお越し下さいね(^_^)

ちなみに観る価値はあるか・・・というと大いにオススメです。

好き嫌いはあるでしょうが・・・(^_^)

さすがデビッド・フィンチャーって映画でした。
持ち前のクールな映像でグロテスクなお話をスタイリッシュ
時にトリッキーに見せてくれて、一時もダレ場の無い、
凄く面白い映画です

 

 

・・・・・・・・ここからネタバレありですよ〜・・・・・・・・・

先日観た「ホビット 決戦のゆくえ」とは正反対の、希望が微塵もないお話です。

映画前半は、失踪してしまった妻「エイミー(ロザムンド・パイク)」を探す
主人公「ニック(ベン・アフレック)」が、探せば探すほど自分に不利な
状況証拠が出てくるわ出てくるわ!

ニックも、決して清廉潔白というわけでは無く、
教職に有りながら生徒と不倫関係をもっていたりするので、
観ているこちらもひょっとしてニックが殺しちゃったのかな?と思ってしまいます。

いよいよニック逮捕か!と
窮地に陥ったところで、失踪したエイミーに視点が変わります。

前半にニックの不貞や、妻、エイミーが失踪したのに、
まるでよそ事のような振る舞い。

その伏線がココで効いていて、
エイミーがニックに復讐心を抱いても仕方ないと
観客に納得いくような流れにしているところに脚本と演出のうまさが光ります

しかし、ストーリーがエイミーのその復讐の手口や感情を追う内に、
彼女の心に住みつく異常性があぶり出されていきます。

この部分が本当に恐ろしい。

人を道具としか思わない思考や、徹底して冷徹な計画。
それらをまるでゲームを楽しんでいるように実行していくエイミー

しかし、思わぬ事態に遭遇し彼女も計画を大きく変更せざるを得なくなります。

この思わぬ事態も、類は友を呼ぶと言いますか、同類達の小競り合いというか・・・
金銭欲、支配欲、彼女が得たかった欲望にそのまま彼女が
被害者として巻き込まれて行く姿が滑稽でもあります。

しかし、自分の身体をも道具として巧みに状況を切り抜ける
彼女の逞しさは思わず笑ってしまいますw

面白いのは、彼女が欲しかったのは豊かな生活ではなく、
自分のイメージ「完璧なエイミーに近づくこと・・・
すなわち、「
主人公との幸せな結婚生活」を演じる事が
エイミーにとって
なによりも大切な事。ってことです。

復讐は不貞を働いた「夫、ニック」への嫉妬ではなく
完璧な結婚生活というイメージを壊してしまう「存在、ニック」への復讐
というわけです。

そこに愛情は一切存在していません。

結局、エイミーは殺人をも厭わない恐ろしい奇策を弄して
ニックの元に戻ります。

とうていエイミーを受け入れられないニック、
しかし、世間の同情を引くこと事に長けた
エイミーは脅迫同然に主人公に結婚生活を維持することを強要します。

主人公の子供を身ごもるという手段も有効に使って・・・

ラストシーン、夫婦でテレビに出演し、
微笑み幸せいっぱいの妻を演じるエイミーの傍らに
無表情でたたずむ主人公の姿がなんとも痛ましい・・・

いつ殺されるか分からない、しかし逃げることの出来ない八方ふさがりな状況・・・
まさにホラーですね(汗)

オープニングとラストシーンの何とも言えないエイミーの表情が蘇ります・・・

eimy

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